のっぽのおいしい焼き物の秘密・・・。それは塩!普通に売ってる塩とは 味が違う。旨味が違う!この塩の秘密をちょこっとお教えしましょう。

今、普通にその辺で売っている塩のほとんどは、海水から「イオン交換法」で
作られています。JTで生産・販売されてます。このイオン交換法で作られた
塩は、塩化ナトリウムの濃度が99%と高く、不純物がほとんど含まれていま
せん。(ここで言う不純物というのは、いわゆる「天然のミネラル成分」の事
です。)
塩化ナトリウムは、いわゆる「しょっぱい」成分ですので、99%もあれば、
まさに塩からい状態です。しかし、ミネラル成分がほとんど入っていないので
「旨い」と感じる事がありません。また、これらの高純度の塩は結晶が大きい
ので、焼き物に振りかけるとムラができやすく、塩っぽいか、味がしないかで
あまりおいしい仕上がりになりません。

「だったら、自然塩なら?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
そうです。ちょっと品揃えの良いスーパーなどに行くと、いわゆる「自然塩」
と言う商品がでています。この自然塩には大別すると2種類の物があります。
一つ目は、海水から塩を作り出した物。もう一つは、塩化ナトリウムの中に、
にがり成分を混ぜた物です。
一般的には、「自然塩」というと、塩田で作ってるイメージが強いでしょう。
塩田で、海水を天日にさらし塩分濃度を高める。その後、これを濾過して、砂
やゴミをとり、釜にいれイッキに沸騰・蒸発させて塩を取り出すのです。
この方法で作られた塩は、「天然のミネラル」を豊富に含み、おいしい塩とな
ります。しかし、火力でイッキに乾燥させるため、結晶が大きくなってしまい
やはり焼き物には向きません。

もう一つ、塩と言えば、「岩塩」があります。
岩塩は自然が作り出した、塩の巨大な結晶です。ミネラル成分も含まれている
ので、味もいいのですが・・・粒が大きい!さらに固い!細かくするのもひと
苦労。使い勝手がちょっとねぇ。

大将は良い物がないか、おいしい塩はないかと、一生懸命探しました。
そしてたどり着いたのが、フランスのブルターニュ地方、「ゲラントの塩田」
で取れる塩でした。

このゲラントの塩田でつくられるこだわりの塩は、遥か昔から製造法が変わら
ないのです。ゲラントの塩田では、まず数週間という時間をかけて、天日で塩
水を濃縮させます。そして次に、濃縮された塩水を風にさらし、塩を取り出し
ます。そしてこれから1年以上塩を寝かせ、味に深みをもたせるのです。自然
の力だけで、一切の火を使わず長い時間をかけて、じっくりと塩を作りだして
いるのです。
この方法で作られた塩は、やや灰色がかった色で、天然のミネラル成分が豊富
に含まれています。塩からい中に旨みがある深い味、そして火を入れていない
ので海の香り・・・かすかな花のような香りがします。
さらに、風に吹かれて作られた塩は結晶が成長しないので、非常に細かい粒と
なります。焼き物に振りかけて使うと味がムラにならず、塩だけではない味が
口の中に広がります。

これが、のっぽの焼き物がおいしい秘密なのです。

「この塩、焼き物以外にかけるとおいしくないんだよね」との大将の言葉。
トマトとかにこの塩をつけてもあまり良い味がしないんだそうです。う〜〜ん
奥が深い・・・・ ちなみに、トマトについてくる塩は普通のお塩。

さぁ、のっぽに行って、塩の味を楽しんでみてください。
        
       

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